【日時】
平成28年9月6日(火)  AM9:40 JR新幹線博多南駅前・ビル2F広場に集合
【参加人員】    31名
【コース】  JR博多南駅・駅前広場~ダム建設事務所~ダム本体の堤頂を歩く~ダム建設事務所(昼食)~ダム本体最低部~大野橋~白土城~佐賀橋~稚児お落しの滝~小川内地区~ダム建設事務所(解散)
9月6日午前10時、JR西日本博多南駅前に31名が集合。10台の自家用車に分乗し、12km先の山奥にある県営五ヶ山ダム建設現場に向いました。南畑ダムを過ぎると、山と山の間から突然高さ100m幅500mのコンクリート壁が現れました。
皆さん「お~これが福岡県NO1のダムか!」と驚きの声!現場事務所の会議室に到着早々、職員の方から「ダムの概要と役割」をスライド等で分かりやすく説明いただき、ダム本体の堤頂から100mの下の湖底を眺めつつ往復500mを歩きました。
丁度福岡タワーの展望台と同じ位の眺めです。皆さんご存じの南畑ダムと比較すると、ダム本体の高さ×幅は2倍、貯水容積は7倍だそうで、満水時の湖面は海抜400mの高さになるそうです.如何に高いところに巨大なダムが出来ているかとビックリするばかりです。昼食後は、建設車両用の道路を歩き100m下のダム湖底に降りました。改めて下からダムの堤頂を眺めると首が痛くなる感じがした。
悠々、ダム建設以前の思いで深い国道の385号を大野橋~佐賀橋を通り、稚児落しの滝~佐賀県吉野ヶ里町小川内小学校跡~夫婦杉~佐賀・福岡県境~福岡県那珂川町小河内集落跡を歩きながら、ここがダムの底になると思うと一抹の寂しさが込み上げてきました、しかし、このダムが将来の福岡都市圏発展を担ってくれるのだと思いダム建設に携わってこられた方々に改めて敬意を表すものであります。また私達が将来の人々に残す遺産ではないかと、誇らしくなりました。 歩行距離6km 野田 弘信
 
 
 本日の歩こう会はJR新幹線博多南駅前・ビル2F広場に集合して、各マイカーに分乗し、那珂川上流の五ケ山ダム現場へ
福岡県筑紫郡那珂川町と佐賀県境に建築中の〈五ケ山ダム〉は、2018年に供給開始、今年から試験湛水が開始されろので水が溜められる前の湖底は、今しか見られません。今日はダム建設の職員と歴史ガイドの案内でダム本体、沈みゆく橋、史跡を案内していただきました。
五ケ山ダム見学
五ヶ山ダムは那珂川の上流、筑紫郡那珂川町五ヶ山の南畑ダムと脊振ダムの間に建設されている重力式コンクリートダムです
現場事務所にて 五ヶ山ダムを建設することになった経緯や歴史五ヶ山ダムの役割等といった概要説明をしていただきました
五ヶ山ダムの建設は昭和53年福岡都市圏を中心に287日に及ぶ大渇水が契機となりそれから実施計画調査 用地取得等を経て
平成24年6月よりダム本体の工事に着手し、今年から試験湛水が開始されるそうです。
ダムの大きさは堤頂長556m 堤高102.5m総貯水容量4,020万トンと非常に大きいダムでその内 異常渇水時用に1,660万トン貯水するとのことです。南畑ダムの約10倍の面積にもなるそうです。
五ケ山ダム完成予想図  
   
建設事務所で、五ケ山ダムの概要・役割の説明後、早速ダム本体の堤頂を歩く
右の写真がダム湖側  ダム堤頂長556m 
 
 下流(南畑ダム方向)  上流・ダム湖側(中央は那珂川)
ダム建設事務所で昼食、午後はダム湖底に沈みゆくダム底部、橋、滝、小川内集落を歩く
堤高102.5m 総貯水容量4,020万トン
参加者の集合写真     この写真はクリックすると拡大します  
水没予定のダム壁面に「残したい自然」 那珂川町の小学生らペイント  
那珂川町で建設中の県営五ケ山ダムの水没予定地で16日、同町王塚台地区の小学生56人がほぼ完成したダム本体の壁面に思い思いの絵を描いた。町がダム完成後の観光資源化をにらみ、ダムの知名度やイメージ向上を目指して公募したイベントの第1弾。 
ダムは2018年春の運用開始に向け、今年中に試験湛水(たんすい)を始める予定。町は5月、水没予定地(約130ヘクタール)を会場とするイベントを募り、12件の応募があった。9月までに順次、実施する予定。 
この日のイベントは、地元の公民館が子どもたちのキャンプ活動の一環として応募。子どもたちは県のダム建設事務所職員の案内でダム本体(高さ102・5メートル)の直下に到着。巨大なコンクリート壁を見上げ「大きい」と感嘆の声を上げた。
子どもたちは「残したい自然」をテーマに、高さ2メートル、幅16メートルにわたり、木や花、動物などをペンキで描いた。参加した6年生(12)は「貴重な体験ができてうれしい」と話した。
=2016/07/17付 西日本新聞朝刊=
 
 
沈みゆく小川内集落・橋・滝を歩く (筑前・東小河内と肥前・小川内の国境水戦争地区) 
大野橋 那珂川  福岡・佐賀の県境 旧佐賀橋バス停
佐賀橋・大野川 旧小川内集落
 平成18年頃の小川内集落(旧肥前側)・小学校
 
樹齢700~800年の佐賀県指定天然記念物『小川内の杉』の移植工事が完了していました。
 佐賀大橋下の移植工事現場  山祇(やまづみ)神社に移植した小川内の杉 
 
 山祇(やまづみ)神社に有った夫婦杉・県天然記念物「小川内の杉」 移植に7億8600万円
 ■根を半分以上切断「油断できぬ」 
福岡県が佐賀県との県境に造る五ケ山ダム建設で、神埼郡吉野ケ里町の水没予定地にある樹齢700~800年の佐賀県指定天然記念物「小川内(おがわち)の杉」を7億8600万円かけて移植。重さ500トンを超える巨木を鉄枠に囲んで現地より43メートル高い220メートル南側にレールを敷いて移した。
小川内の杉は、福岡県那珂川町と接する吉野ケ里町小川内地区にある山祇(やまづみ)神社境内にある神木で、樹高39メートル、根回り13・4メートル。1956年に天然記念物に指定された。 2008年に移転した神社の横に移す計画で、山の斜面に盛り土をして移植地までレールを敷く。巨木の周囲の土を掘り出し、鉄枠で囲み台座に載せる。
巨木を立ったままの状態で箱ごとレールで引っ張り上げる仕組みだ。斜面の整地など準備を進め、1週間かけて予定地に移した。
移植の実行までには紆余(うよ)曲折があった。地元をはじめ
佐賀県側の強い要望を受け、福岡県は11年、専門家による検討会議を発足させた。再検討した結果、13年に一転して「移植は可能」と判断した。移植費はダムを造る福岡県が全額負担する。 
オブザーバーとして会議を見守ってきた福岡県樹木医会代表理事の森陽一さん(61)は「新たな調査で、根が樹齢の割にしっかりしていることが分かった」。新たな根を生えさせる試みも良好な結果が出て、「この可能性にかけようという結論になった。移植先が同じ沢筋で、水や土が同じ条件であるのもプラスに働く」と解説する。 
ただ、鉄枠で囲む際に根を半分以上切るため、「油断はできない」と森さん。「新たな根が栄養を吸収できるようになるまで時間もかかる。細かな異常を察知するためにも、注意深くケアする必要がある」と指摘する。 地元住民の25戸はすでに佐賀や福岡両県に移転している。
80代男性は「枠で囲っても水がきて水没することから移植が決まった。これほどの費用をかけてくれることにびっくりした」といい、「地域のシンボルとして先人から受け継いできたご神木。無事に成功して良かったと。
 
 移転した旧山祇(やまづみ)神社の境内の高さ39メートル、根元の周囲13・4メートル、樹齢700~800年の「ご神木」で住民に親しまれてきた。移植する杉は地元山祇神社(やまづみじんじゃ)の御神木といいます。
 南畑ダムには水中で枯死した同じく天然記念物の山神社の御神木『たらちねの銀杏』があり、福岡県の天然記念物にたいする考え方が佐賀県と違うようです。
稚児落としの滝 (水争いの犠牲者・お万物語)
五ヶ山(元の佐賀橋バス停より徒歩10分)、蛤水道を築くにあたり、さまざまな悲話が生まれました。
蛤水道完成後、福岡県側の水不足のため、堰落しにお万という子持ちの女が選ばれました。
蛤水道ではあまりの警戒の厳しさに、お万は連れてきた乳呑み子を滝(稚児落しの滝)に捨て、自らも目的を達成できずに滝(お万ケ滝)へ身を投じました。
蛤水道の水路さらえには、お万の霊が必ず雨を降らせ、降らなくても曇らせ、公役のじゃまをするといわれています。
この滝も来年は湖底へ。
 
詳細はこのサイトへ⇒  伝説紀行 蛤水道の怪
 
ダム湖の散策を終えて急坂を登り、ダム建設現場の駐車場へ。
歴史ガイト那珂川の上野さんからお万物語の完結(お万の夢がかない400年続いた水争いに終止符、湖畔にお万の水功碑を)の説明、
そして本日ダム見学で大変お世話になりました建設事務所の職員の方々にお礼をいい、帰路に着きました。
 
今日は天気に恵まれ、心地よい秋風の中、来年には湖底になるダム底部、橋、滝、小川内集落等再び見ることができない風景に考え深いものがあった歩こう会でした。大変お疲れ様でした。
次回の歩こう会は予定を変更して  
第95回九州歴史資料館&三国が丘駅周辺を歩く です。
10月4日(火)です。後日詳細案内をしますので多数のご参加をお願いします。